第1回 -BABYMETAL-変遷
『ゴミみたいな情報はいくら集めてもゴミだ』
昔読んだ本の言葉を思い出しました。
ゴミみたいな記事にならなきゃいいなぁ・・・
なんて思いながらやっと二回目の記事を書いています。
今後私が書いていく記事の情報には、裏付けの取れている確かなものもあれば
不確かなものも混ざっています。もしあなたが『本当の事』が知りたければ
ブログではなく現場に行って下さい。本当の事は現場にしかありませんから。
では始めましょう。まずはBABYMETALの変遷から。
どうやら物事には順序があるようで、BABYMETALというものを知る前に
『さくら学院』というものに触れておかなければならないようです。
と、言うよりも、さくら学院を少しでも知っておかないとBABYMETALというプロジェクトの真の『旨味』、ダシの部分を逃してしまうのです。ただ、そうなってくると我々は可憐Girl'sの方にも触れておかなければなりません。どうしましょうね。収集が付かなくなる気もしますね。
とにかく今回はBABYMETALの母体である『さくら学院』について書いていきます。
さて。さくら学院とは?
芸能プロダクションAMUSEアミューズ所属
2010年発足の『学校生活』をテーマにしたアイドルグループ
アミューズの本社所在地「桜丘町」から『さくら学院』と名付けられたそうです。
さくら学院は「女子学生」って言う設定でアイドル活動をしていて、実際に在籍しているのも小中学生限定のキッズアイドル。アイドルの育成機関といった感じでしょうか。
いわゆる「企画モノ」というニュアンスでいいと思いますがそんなゲセワな言葉で片付けられない、確かな裏方と演者によって丁寧に作られているアイドルです。
設定は細かく決められていて
小等部・中等部に分け、校則・部活動・授業・父兄(ファンのこと)・校長先生・学級日誌・学校説明会などなどきめ細かい設定がされています。一つ一つ考えたというより、『学校ってことは・・・?』という発想で決めて行ったのだと思いますが、見るものにとっても『学校』を知らない人はまずいませんから、些細な設定にも親近感を覚えます。
多くのさくら学院のファン達は「父兄」の気持ちで応援をしていきます。
卒業式も当然あります。
真の父兄の気持ちなんて生身の子供育てなきゃ絶対にわからないでしょうけど
姪っ子とかの成長を割と近距離で見守るっていうような心境でしょうか。
ももクロのファン心理もそれに近いようなものだったそうです。
まあ、私も全然知らない子供の卒業式見たって泣きますから。
これは泣いちゃいますね。この時点でも子供には変わりないですが、ここに入った時はもっともっと子供だったんですよね。
BABYMETALにもさくら学院にも感じましたが、設定がリアルで細かく、かつしっかりと運営されていれば、きちんとしたした物語がきちんと生まれてくれる。
基盤をがっちりと固めてその上に天然物を転がしている。
精度の高い強固なシリンダーの中で純度の高いガソリンを爆発させ、その動力を逃すことなく車軸に伝えていく。そんなイメージを受けました。意味が分かりませんが。
以前にBABYMETALのプロデューサーの小林 啓(KOBAMETAL)という人が
『BABYMETALはアイドルのディズニーランドのようにしたい』
と語っていました。その意味合いは
『日常の延長線上にあるアイドルではなく徹底的に丁寧に作り込まれた非日常』
といった含みを持たせたものだったようで、母体のさくら学院は設定自体は疑似学校生活という、一見すると日常の延長線上にあるものに思えるかもしれないが
他のアイドルと違うのは、彼女たちはそこで『スーパーレディになる為の勉強』
をしているという事。
・勉強をしに行っているのだから握手会などの接触も基本的にない。
・そもそも生徒と、学校と、父兄しかいなんだから握手の対象なんかいない。
・学生の本分は勉強であるから、卒業までは他の仕事はできない。
・部活動はあくまで部活動であるから勉強をおろそかにしてはいけない。
・在学中にレディの基礎をしっかり学びスーパーレディを目指す。
上記はさくら学院に詳しいBさんに聞いて、自分なりに解釈したことを少しだけ書いてみたものですが、なんだか他のグループに比べて『ちゃんとしてる感』が猛烈に伝わってきます。
というか今更ですが『学生ノリのアイドル』ではなく『学校』ってことですね。
『丁寧に作り込む』という点ではさくら学院もBABYMETALも共通している。
AMUSEという会社の社風がそうなのかさくら学院を担当している部署の雰囲気がそうなのかわかりませんがなんだか私はそこに『日本人の仕事』を見ました。
演者たちは、いわゆる『演出』や、『やらせ』等が大人ほど機能しないような年齢なので仮に『事前の決め事』をやらされていたとしても、まだまだ言動や行動、眼差しに嘘が無い。その様がとても美しい。ここまでやれば架空ではなくまぎれもない実在なんだなぁと感じました。きちんとした設定がきちんとした意識を育んでゆく。そんな印象を受けます。
ちなみに、彼女たちと深い関わりのあるタワーレコードの社長で嶺脇 育夫という人がいますが、その筋では有名なアイドルファン?マニア?ヲタク?だそうで
菊地最愛(MOA-METAL)推しだそうです。
ただ、『いいおっさんが小学生推しっていうのも大きな声では言い辛いですよね(汗)』
なんて前に語っていたこともあるようで、女性のファンもいると思うけれど、男性目線で見ると確かにちょっと『危うい』ラインにも思えます。
ちなみに
BABYMETALが認知された影響もあってか、母体の『さくら学院』の方にも興味を持ち情報を収集する外国人も増えているようです。
児童ポルノに対して日本よりもはるかに規制や概念が進んだ外国の人が、もしもこの側面だけを切り取って見たら『クレイジー』を通り越して相変わらずの『児童ポルノ国家』とも思われるかもしれない。
しかしほとんどの日本人はしっかりと丁寧にラインを引き、その手前で彼女たちを見ている。その根底には日本人しか持たない『もののあわれ』の美学があります。
『KAWAII』カワイイという言葉や概念が世界に認知されつつあるようですが、このようなアイドルに対しての『KAWAII』とはまさに『もののあわれ』であり、
それは、アイドルをある種の恋愛対象として見るが決して性の対象としては見ないという絶妙な心のバランスである。
そんな絶妙を日本人はじっと静かに維持していくことができる。
そういえば以前にももくろのファンであったSさんと『アイドルと海外』について話をした時、Sさんは外人(特に欧米人)が嫌いなんだけれども
『僕はね。日本人が「もののあわれ」をきちんと輸出できたとき、初めて外人を大したもんだなぁ感じると思うよ。』と言っていたのを思い出しました。
さて、
さくら学院がコンセプトとして掲げてるのは『成長期限定アイドルユニット』
なので、通っている子達が実生活の学校を卒業すると同時にこの学院も卒業するっていうけっこう『潔い』コンセプト。『美味しいトコだけ』って言う風にも取れますね。でもまあ、あくまで『学校』ですから。
HPの『校則』の最後の項に『卒業まで常に完全燃焼する』ってあります。
潔いコンセプトを掲げる代わりに『限りある時間の中で極限のパフォーマンスをする!させる!』といったところでしょうか。
そもそも扱ってる子たちが猛烈な成長期の、しかも女性であるから、入学から卒業までの成長が、内面的にもビジュアル的にもしっかりと見えるので、お金を落とすファンとしても、強い感情移入ができそうです。育成ゲームと違って生身ですから、なかなか高尚な趣味です。
『入学した時はあんなに小さく頼りなかったのにこんなに大きくなって・・・(T_T)』
こんな感情になるのでしょう。
学校生活の中には、テニス部・帰宅部・クッキング部・科学部・新聞部・バトン部・重音部など『部活動の時間』があります。テニス部ならラケットを持ってテニスの歌を歌いライブで披露するとか帰宅部はパジャマ着てダンスするとか色々やるみたいです。
で、その中の一つ『重音部』(軽音部ではなく)
その部活に
中元すず香(SU-METAL)
水野由結(YU-METAL)
菊地最愛(MOA-METAL)
の3名が入部してBABYMETALというバンド名で活動していく。これがBABYMETALの始まりだったようです。
ただ、学園発足以前からBABYMETALのアイドルとメタルの融合という構想はある程度あったそうです。メインボーカルの中元すず香(SU-METAL)に出会った時、プロデューサーのKOBAMETALはわざとらしさのない、透明感のようなものを感じ、この子を軸に。と考えていたそうです。
その両脇には支えてくれる天使みたいなイメージを探していて、身長差など、色々な事を考えた上で水野由結(YU-METAL)菊地最愛(MOA-METAL)に決めたそうです。
確かにフロントマン3人の身長差は非常に綺麗だ。両脇が天使に見える。
この頃は3人とも、特に『ゆいもあ』は猛烈にあどけない。
この位の時期にこの子たちを見たももクロファンのSさんは
『これ、やっちゃ駄目なやつでしょ?と恐怖を覚えた』と言っていました。
たしかにこの位の歳の少女は芸能活動するだけでも、かなりの『危うさ』を感じるのにバックで流れるデスメタルは『死と破壊の音楽』ですからね。
「やっちゃだめなやつでしょ」って言うのもわかる気がします。
そういえば、過去に『ゆいもあ』の2人はCMにも出てました。
本当に天使だったんですね・・・(笑)。ちなみにゆいもあはクッキング部との兼部もしているようです。
さて、そんなこんなで発足した さくら学院、重音部内のBABYMETAL。
そもそもは『部活動』だったので母体のさくら学院を優先して活動していたようですが、一番年上の中元すず香が卒業してしまった為、学院とは切り離し、現在は『課外活動』と設定を変えて活動しているようです。
今後はゆいもあの二人も卒業を控え、海外ツアーなども決まり、BABYMETALとしての活動が活発になってくると思いますが、『重音部』っていうのは廃部ではないんですよね?どうなんでしょうか。
以下は補足になりますが非常に大切な事ですので
しっかりと読んで下さい。
AMUSEには元々『可憐Girl's』というアイドルグループがありましたが、
これは2008年~テレビ東京で放送されていた『絶対可憐チルドレン』というアニメの
タイアップグループで、メンバーはオーディションを勝ち抜いた小学生3人。
その中に当時11歳のSU-METALもいました。
一年間で任務完了のグループだったようで、2009年に解散。
その後2010年にさくら学院が発足。
そこで他のキッズアイドルの子達と学院に合流。といった流れだったようです。
この時期位からベビメタの構想を練っていたという事ですね。
絶対可憐チルドレン
可憐ガールズ
左の子か?こんな小さかったんですね。
当時11歳、現在は17歳。そりゃ背も伸びますよね。
アイドルに興味が無くともこういうのを見ると何だかじんわりきます。
だって、11歳ですよ?11歳って言ったら
公園の滑り台を囲んでぐるぐる追い掛け回すっていう鬼ごっこを
友達と発明してひたすらそれをやったり
大量の水風船で戦争したり
公園の水道の水を無駄遣いして近所のババアに怒鳴られたり
自転車のハンドル絞ったり
隣の小学校の女子の自転車のカゴにカエルの死体いれたり・・・
そんな年齢の時から彼女は大人達相手に仕事をしてたんですよ。
男はどうしようもねえなぁ・・・。
しかしまあ、この子に限ったことではないでしょうが、こういう仕事って言うのは本人も、周りの大人たちもすっごい大変なんでしょうね。
ちなみにこのSU-METAL/中元すず香という女性
1997年生まれの17歳なんですが
既に3歳くらいからモデルとしてお仕事をしていたそうでアクターズスクール広島出身。AMUSEの先輩でもあるPerfumeもここ出身です。
過去にはけっこう輝かしい経歴を持っているようで2007年のAMUSEのキッズオーディションでは準グランプリを獲ったり、幼い時から色々と際立った存在のようです。
お姉さんが乃木坂46の中元日芽香だそうで、生まれた時点で選ばれていたんでしょうね。こういう人は。
ちなみに1997年っていうと、ベビメタの制作陣が作品の至る所にオマージュを散りばめているバンド、XJAPANが解散を発表した年っていうのはファンの間では有名な話ですが、メタル雑誌『BURRN!』の編集長(当時?)の広瀬和生さんが言うには、日本でのBURRN!の発行部数とヘビーメタルのアルバムの売り上げが最も多かった時期が1997年だそうだ。さすが選ばれた女性SU-METAL。
1997 12月号
今回はBABYMETALに触れる前に母体であったさくら学院について書きました。
さくら学院がなぜBABYMETALにとって大切な「ダシ」なのかは
勘の良い方はすでに分かったと思います。
とにかく今後はBABYMETALの後ろには、さくら学院、可憐Girl'sというものがある。
それを忘れないで下さい。
それではまた次回。